[GIS] 日本測地系…追え 後編

はじめに

タイトル略しすぎやろ

前回までのあらすじ

id:yellow_73:20121206#p1 を読んでください。

TokyoからWGS84への測地系変換パラメータ(3パラメータ)が、同じ目的のはずなのに3種類のパラメータが出てきて、どれを取るのが良いのか、というものでした。なお、ひとつパラメータの出自が分からなかったので、消化不良になるというオチが付きました。

コメント欄丸写しとか言わないで

出自が分からなかったのが"-148,507,685"でしたが、前回記事のコメント欄にhajime_createさんと名乗る方(すみません「某協会の中の人でないかとは思うけど断定まではできない」程度までしか突き止め切れませんでした)からコメントをいただきました。

コメントによると、"NIMA 8350.2"が出典が出元である、と。

私にとっては、NIMAて何やねん、からはじまる体たらく。なんでメモっときますと、National Imagery and Mapping Agency という米国防総省の機関で、今はNGA(National Geospatial-Intelligence Agency)に改組されているようです。

"NIMA 8350.2" をぐぐると、http://earth-info.nga.mil/GandG/publications/tr8350.2/tr8350_2.html にたどり着きました。

"TR8350.2"というタイトルのPDFがありました。

これしかし、見れるReaderと見れないReaderがあるっぽくて、職場では読めなかった…。

表紙から"WORLD GEODETIC SYSTEM 1984 - Its Definition and Relationships with Local Geodetic Systems"
なんて書いてます。

ここが原点なんですね。

情報は多分しっかり書いてあるんでしょうけれども、とりあえずパスさしてください。
Appendix B.2-B.7に、各地域の測地系からWGS84への変換パラメータが列挙されていまして、TokyoはB.3-5にありました。
おう、日本("TOY-A")は1991年発行で、-148,507,685 をパラメータとするとしっかり掲載されとる。

解決しましたね。"-148,507,685"はWGS84の中の人が規定したものである、と。

Geodesy for Layman
Chapter IV GEODETIC SYSTEMS
http://www.ngs.noaa.gov/PUBS_LIB/Geodesy4Layman/TR80003B.HTM

>| Unfortunately, Tokyo is situated on a steep geoid slope and the single-station orientation has resulted in large systematic geoid separations as the system is extended from its initial point.

が、測地系のズレについての、本質的な説明だと思います。