ふたたびからませてもらいます

id:end0tknr:20110518 に、ごめんなさい、再び絡ませてもらいます。

空間参照系

私もこのあたり素人なので的確性を欠くうえ、話自体が長くなるので、かなりいい加減な表現をします。
地図を重ね合わせた際にズレが無いようにするためには、重ね合わせる地図の座標系は完全に共通である必要があります。
この座標系を「空間参照系」と言います。
空間参照系は、たいたい「測地系」と「投影法」によって決まります。
測地系は、リアルな点を緯度、経度、標高で表現するための前提条件です。たとえば地球の形が違えば、同じ点を表現しても値が異なります。
投影法は、メルカトル図法だったり、モルワイデ図法だったり、です。投影法が異なると、同じ緯度、経度、標高でも地図上では異なる位置になります。

空間参照系コード

空間参照系は、かなりな数があります。日本国内を19個の系に分割しているものもあります。各国もバラバラに規定しています。様々な目的に対して最適な地図を作る必要があるので、空間参照系が増えるのは仕方ありません。
ただ完全放置というわけにはいかないので、空間参照系ごとにユニークなコードを振って対応しています。
すなわち位置情報にコードを関連付けて、別のコードに関連付けられた位置情報と比較する場合には、どちらかのコードにそろえるように計算を行ったうえで比較するようにしています。
最も充実した空間参照系のコード体系は、EPSGという団体が規定したものです。なので、空間参照系コードはEPSGコードがよく使われます。
EPSGの規定したコード体系を使う場合は、名前空間のようなサフィックスとして"EPSG"をつけます。"EPSG:4612" とかいったかんじになります。

EPSG:900913とESRI:54004

空間参照系(座標系)が異なる、というのはコードが違うので直感的に分かりますが、もうちょっと踏み込んでみます。
両者の投影法は同じですのでいいのですが、測地系が異なります。
EPSG:900913は、地球の形を半径6378137mの球としています。
ESRI:54004は、地球の形は球ではありません。赤道面の半径(長軸半径)は6378137mですが、中心点から極までの距離(短軸半径)はちょっと短いような回転楕円体になっています。
そのまま重ね合わせるのは、厳密には行ってはならないことです。
厳密性はともかくおいたとしても、実質的にもたぶん南北方向の位置がズレてくると思います。

MapServerはラスタデータを登録できます

できます。さらにいうと、overview対応です。
GeoTIFFは、画像ファイル内に、任意個の縮小した画像(overview)を差し込むことができます。
たとえば、1Gの画像ファイルに半分の縮尺の画像を入れ込むと、1G+0.25Gと画像サイズ自体は増えますが、小縮尺を表示する場合には、1Gの元画像を無視して0.25Gのoverviewを使用することで、扱うデータ量を減らし、スピードアップを図ることができます。
タイル化したものをデータソースにするよりもいいぜ、ということらしいです。
GDAL(http://www.gdal.org/)ツールの gdaladdo で作成可能です。

タイル化は MapTiler/GDAL2Tiles

タイル化には MapTiler/GDAL2Tiles (http://www.maptiler.org) を使います。MapTilerはGDAL2TilesにGUIのガワを被せたものと考えてください。
ジオリファレンス(空間参照系およびその系における座標値を付加する)したラスタなら食ってくれます。

被災地空中写真で使っているのはあきらかで、たとえば http://www.finds.jp/independent/tohoku/tms/1.0.0/ishinomaki/ディレクトリリスティングの中に openlayers.html と googlamaps.html がありますが、これがなによりの証拠。

ほぼOSMですね

  • mapnik は、OSMのベクタデータをosm2pgsqlでPostGISに叩き込んだ上で使用するタイル化画像生成サーバのようです。
  • mkgmap は、OSMのベクタデータをGarminGPSロガーに叩き込むためのタイル化画像作成ツールのようです。
  • tileCache は、WMSサーバからデータを取ってきてタイル化したうえで保存するタイル化画像配信サーバです。
  • JOSM は、OSMエディタです。地図を作成、編集してOSMのサーバにアップするものです。
  • http://openstreetmap.jp/YahooAlps/roads/ は、Yahoo! Map さんがOSMに寄贈されたデータですね。
  • Osm2pgsql は、OSMのベクタデータをPostGISに叩き込むためのデータ変換ツールのようです。

tileCache以外はOpenStreetMap (OSM) 関連です。みんなで自由に使える地図を作ろう、というプロジェクトです。http://openstreetmap.jp/ 参照。